Blave トップトレーダーの使い方

「トップ」がどう選ばれているか、エクスポージャーの数値が何を測っているか、そして誤読されやすい 4 点。

最終更新 2026-09
要点まとめ
  • 「トップ」とは資産規模のことです。連携した口座から読み取ったウォレット残高を合算し、大きい順に上位 10% を取り、さらに資産 1,000 ドル超を条件にします。パフォーマンスは一切見ません——リターンもシャープレシオもドローダウンも使いません。
  • エクスポージャーは「純建玉の名目額 ÷ その人の総資産 ×100」の中央値です。30 なら中央値のトレーダーが資産の約 0.3 倍だけネットロングということになります。
  • これは市場全体をまとめた 1 本の系列で、BTC 専用の指標ではありません。Studio で銘柄を切り替えても、変わるのは下に重ねた価格ラインだけで、エクスポージャーの値は同じです。
  • z-score ではなく、直近 30 日との比較もしていません。過去 1 年でマイナスだったのは 5.1% の時間だけなので、「0 より上なら強気」はほぼ常に成り立ち、情報になりません。意味があるのは、自分自身の直近レンジの中でどこにいるかです。
  • 現時点でこの指標を使う公式戦略はありません。本稿の使い方はいずれもスケッチであり、バックテスト済みのルールではありません。

「トップトレーダーがロングに傾いている」と読んだとき、最初に確かめるべきは「トップ」の定義です。Blave の答えは直感とは違います——パフォーマンスは一切関係ありません

Blave トップトレーダーとは?

Blave トップトレーダーは、Blave 自身のユーザーから選ばれた口座の集合です。ユーザーが Studio で取引所の API を連携すると、システムがその口座のウォレット残高とポジションを定期的に読み取り、資産規模の順に並べて上位 10% を取り出します。その建玉を集計したものが、エクスポージャー・ポジション・ウォッチリストの 3 ページに表示されます。取引所の公開ランキングでも、オンチェーンアドレスの一覧でもありません

選定は 3 ステップです。

ステップ内容
1. 資産を合算その口座のすべてのウォレット種別の残高を合算します——現物・デリバティブ・運用商品も含め、先物口座だけを見るわけではありません。
2. 上位 10% を取る残高 10 ドル以下の空の口座を除いたうえで、合算した資産の大きい順に並べ、上位 10 分の 1 を取ります。割合は固定なので、人数はアクティブな口座数によって変動します。
3. 下限を適用さらに資産 1,000 ドル超を条件にします。

この流れのどこにもパフォーマンスは登場しません。資産が大きいのは元手が大きいだけ、あるいは出金していないだけかもしれず、うまく取引できていることとは別の話です。

3 つのページはそれぞれ別の問いに答えます。

ページ何に答えるか値の作り方
エクスポージャーこの集団は全体としてロングかショートか各人の純名目建玉 ÷ 本人の総資産、その中央値に 100 を掛けた値
ポジションどの銘柄を持っているか銘柄ごとの純建玉の合計 ÷ 建玉を持つトップトレーダーの数
ウォッチリストどの銘柄を見ているかその銘柄を登録した人数 ÷ ウォッチリストを持つ人数

押さえておきたい 4 点

1. 「トップ」は資産規模であって成績ではない

最も多い誤読で、Blave の古い説明文も間違えていました。並べ替えのキーはウォレット残高の合計であり、リターン・シャープレシオ・ドローダウンといった項目は計算のどこにも存在しません。つまりこの指標が示すのは「残高の大きい人たちがどちらに傾いているか」であって、「勝っている人がどちらに傾いているか」ではありません。

2. 市場全体の指標であって BTC の指標ではない

エクスポージャーは、この集団の無期限先物の建玉を全銘柄について足し込んで 1 つの数値にしたもので、銘柄という軸を持ちません。エクスポージャーのページでは銘柄を選べますが、それで変わるのは下に重なる価格ラインだけで、棒グラフは同じままです。銘柄ごとの内訳はポジションのページで見ます。

3. 生の比率であって z-score ではない

マーケットセンチメントホエールハンターは銘柄ごとの直近 30 日で標準化しているため、±2 や ±3 がしきい値として意味を持ちます。エクスポージャーはまったく標準化されていません。過去 1 年(2025-09-15〜2026-09-15)の分布は次のとおりです。なお 2025-10 より前は 1 時間ごと、それ以降が 5 分ごとです。

統計量
中央値11.3
p25 / p753.4 / 24.9
p5 / p95−0.01 / 39.6
マイナスだった時間の割合5.1%

つまりこの集団は構造的にネットロングで、「0 より上なら強気」はほぼ常に成り立ち、情報を持ちません。情報になるのは相対的な位置です。直近レンジの下限付近まで落ちてきたなら、たいていこの集団はロングを削っているということです。

4. ウォッチリストは建玉ではない

ウォッチリストのデータは、これらのトレーダーが Blave Studio 内で自分で作ったリストであって、保有ポジションではありません。見ていることと、持っていることは別です。

数値を読む前に 3 つ確認を:この集団は資産で選ばれたのか、成績で選ばれたのか? 見ているのは市場全体か、単一銘柄か? 今の値は直近レンジのどこにあるか?

何が入っていて、何が入っていないか

読み方を左右する境界がいくつかあるので、脚注に隠さずここに書きます。

  • 分母は総資産、分子は建玉の一部だけ。純エクスポージャーは「無期限先物の純名目建玉 ÷ 全ウォレット資産」なので、現物や運用商品の残高は分母に入る一方で分子には一度も現れません。現物中心の人はエクスポージャーが低めに出ます。
  • 一部の建玉種別は対象外。計算に入るのは特定の無期限建玉だけで、それ以外の契約種別や現物ポジションは入りません。したがってこれは集団の全ポジションではなく、その一断面です。
  • サンプルは小さく、しかも入れ替わる。上位 10% は割合であって固定枠ではないため、アクティブな口座が減れば人数も減ります。中央値も「その時点で対象建玉を持っている人」の中だけで取られます。時期の違う値を厳密に比べることはできません。
  • 5 分足は見かけ上の精度。系列は 5 分ごとに書き込まれますが、元になる残高と建玉は 1 時間ごとにしか更新されません。同じ 1 時間内の動きは、主に価格が同じ建玉を評価し直したことによるもので、誰かが売買したためではありません。
  • 履歴は 2025-03-03 から。しかも前半は 1 時間ごとで、5 分ごとになったのは途中からです。バックテストではこの点を織り込んでください。

Studio ではどう見るか

ページ表示される内容閲覧条件
エクスポージャーエクスポージャーの棒グラフと選択した銘柄の価格ライン。期間は 5 分〜1 日。本稿の例が 1h なのは、元データが 1 時間ごとにしか更新されないためです一般アカウントも閲覧可(データは 7 日遅延)、Pro はリアルタイム
ポジションロング・ショートのランキング:銘柄、価格、エントリー価格、建玉比率Pro
ウォッチリスト銘柄、価格、24 時間の騰落、登録比率Pro

ポジションページの「エントリー価格」は慎重に扱ってください。その銘柄のすべての建玉行の単純平均で、方向も数量も加重されていないため、ロング側に表示されたエントリー価格にショート側のコストが混ざっている場合があります。この集団の平均取得価格として使うことはできません。

API や Blave Agent で取得するときの注意点は?

エクスポージャーには公開エンドポイント GET /blave_top_trader/get_exposure(API プラン)があります。引数は期間と開始・終了日で、symbol はありません——もともと市場全体の系列だからです。ポジションとウォッチリストに公開エンドポイントは現時点でなく、Studio のページのみです。

Blave Agent では fetch_top_trader_exposure(interval, start, end, headers) で取得します。返ってくる alpha が上で説明した比率です。

# symbol 引数なし:これは市場全体の 1 本の系列
tt = fetch_top_trader_exposure("1h", START, END, hdrs)
print(tt["alpha"].describe())

戦略にどう組み込むか

以下の 3 つは公式戦略にもバックテストにも裏付けられていません。結論ではなく出発点なので、使うなら自分で検証してください。

1. 0 ではなく相対的な水準を使う

系列が構造的にプラスなので、0 を境目にすると事実上ほぼ常にロングになります。自分自身の直近の分布と比べる形に変えます。

tt = fetch_top_trader_exposure("1h", START, END, hdrs)
# 直近 90 日の分位点を水準にする。絶対値の 0 より意味がある
lo = tt["alpha"].rolling("90D").quantile(0.1)
hi = tt["alpha"].rolling("90D").quantile(0.9)
crowded = tt["alpha"] > hi      # この集団は普段より積み上がっている
flush   = tt["alpha"] < lo      # たいていこの集団はロングを削っている

2. 価格との乖離を見る

価格が高値を更新する一方でエクスポージャーが下がっているなら、この集団は上昇に売り向かっているということです。これはルールではなく観察です——対象外の建玉種別に移しただけ、という可能性もあります。

px = fetch_kline(SYMBOL, "1h", START, END, hdrs)["close"]
d = px.to_frame("px").join(tt["alpha"]).dropna()
# 20 本の間に:価格は上昇、エクスポージャーは低下
div = (d["px"] > d["px"].shift(20)) & (d["alpha"] < d["alpha"].shift(20))

3. エントリーではなく文脈として扱う

この指標は更新が遅く、母数も小さいので、位置づけとしては背景情報です。ポジションサイズの調整や、あるシグナルを取るかどうかの判断には使えますが、単独でタイミングを計るには向きません。同じ期間に異常な資金の動きがあったかを確かめるなら、ホエールハンターと併せて見てください。

どの指標と組み合わせるか

組み合わせ理由
トップトレーダー + ホエールハンター前者はこの集団の建玉、後者は市場全体の建玉と出来高の異常——人と量という別の切り口
トップトレーダー + マーケットセンチメントロングに傾いていて、同時に無期限のプレミアムも高いなら、まったく別のデータ源が同じことを示している
トップトレーダー + セクターローテーションポジションページはどの銘柄を持っているかを示し、セクターローテーションはその銘柄が属するセクターが動いているかを示す
これは参考データであって売買シグナルではありません。小さな集団のポジションの一断面を中央値で取ったもので、顔ぶれは時間とともに変わります。分母には分子に入らない資産が含まれ、一部の建玉種別は対象外で、元データは 1 時間ごとにしか更新されません。資産規模が大きいことは判断が正しいことを意味しません——この人たちも方向を外します。