「トップ」がどう選ばれているか、エクスポージャーの数値が何を測っているか、そして誤読されやすい 4 点。
「トップトレーダーがロングに傾いている」と読んだとき、最初に確かめるべきは「トップ」の定義です。Blave の答えは直感とは違います——パフォーマンスは一切関係ありません。
Blave トップトレーダーは、Blave 自身のユーザーから選ばれた口座の集合です。ユーザーが Studio で取引所の API を連携すると、システムがその口座のウォレット残高とポジションを定期的に読み取り、資産規模の順に並べて上位 10% を取り出します。その建玉を集計したものが、エクスポージャー・ポジション・ウォッチリストの 3 ページに表示されます。取引所の公開ランキングでも、オンチェーンアドレスの一覧でもありません。
選定は 3 ステップです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 資産を合算 | その口座のすべてのウォレット種別の残高を合算します——現物・デリバティブ・運用商品も含め、先物口座だけを見るわけではありません。 |
| 2. 上位 10% を取る | 残高 10 ドル以下の空の口座を除いたうえで、合算した資産の大きい順に並べ、上位 10 分の 1 を取ります。割合は固定なので、人数はアクティブな口座数によって変動します。 |
| 3. 下限を適用 | さらに資産 1,000 ドル超を条件にします。 |
この流れのどこにもパフォーマンスは登場しません。資産が大きいのは元手が大きいだけ、あるいは出金していないだけかもしれず、うまく取引できていることとは別の話です。
3 つのページはそれぞれ別の問いに答えます。
| ページ | 何に答えるか | 値の作り方 |
|---|---|---|
| エクスポージャー | この集団は全体としてロングかショートか | 各人の純名目建玉 ÷ 本人の総資産、その中央値に 100 を掛けた値 |
| ポジション | どの銘柄を持っているか | 銘柄ごとの純建玉の合計 ÷ 建玉を持つトップトレーダーの数 |
| ウォッチリスト | どの銘柄を見ているか | その銘柄を登録した人数 ÷ ウォッチリストを持つ人数 |
最も多い誤読で、Blave の古い説明文も間違えていました。並べ替えのキーはウォレット残高の合計であり、リターン・シャープレシオ・ドローダウンといった項目は計算のどこにも存在しません。つまりこの指標が示すのは「残高の大きい人たちがどちらに傾いているか」であって、「勝っている人がどちらに傾いているか」ではありません。
エクスポージャーは、この集団の無期限先物の建玉を全銘柄について足し込んで 1 つの数値にしたもので、銘柄という軸を持ちません。エクスポージャーのページでは銘柄を選べますが、それで変わるのは下に重なる価格ラインだけで、棒グラフは同じままです。銘柄ごとの内訳はポジションのページで見ます。
マーケットセンチメントやホエールハンターは銘柄ごとの直近 30 日で標準化しているため、±2 や ±3 がしきい値として意味を持ちます。エクスポージャーはまったく標準化されていません。過去 1 年(2025-09-15〜2026-09-15)の分布は次のとおりです。なお 2025-10 より前は 1 時間ごと、それ以降が 5 分ごとです。
| 統計量 | 値 |
|---|---|
| 中央値 | 11.3 |
| p25 / p75 | 3.4 / 24.9 |
| p5 / p95 | −0.01 / 39.6 |
| マイナスだった時間の割合 | 5.1% |
つまりこの集団は構造的にネットロングで、「0 より上なら強気」はほぼ常に成り立ち、情報を持ちません。情報になるのは相対的な位置です。直近レンジの下限付近まで落ちてきたなら、たいていこの集団はロングを削っているということです。
ウォッチリストのデータは、これらのトレーダーが Blave Studio 内で自分で作ったリストであって、保有ポジションではありません。見ていることと、持っていることは別です。
読み方を左右する境界がいくつかあるので、脚注に隠さずここに書きます。
| ページ | 表示される内容 | 閲覧条件 |
|---|---|---|
| エクスポージャー | エクスポージャーの棒グラフと選択した銘柄の価格ライン。期間は 5 分〜1 日。本稿の例が 1h なのは、元データが 1 時間ごとにしか更新されないためです | 一般アカウントも閲覧可(データは 7 日遅延)、Pro はリアルタイム |
| ポジション | ロング・ショートのランキング:銘柄、価格、エントリー価格、建玉比率 | Pro |
| ウォッチリスト | 銘柄、価格、24 時間の騰落、登録比率 | Pro |
ポジションページの「エントリー価格」は慎重に扱ってください。その銘柄のすべての建玉行の単純平均で、方向も数量も加重されていないため、ロング側に表示されたエントリー価格にショート側のコストが混ざっている場合があります。この集団の平均取得価格として使うことはできません。
エクスポージャーには公開エンドポイント GET /blave_top_trader/get_exposure(API プラン)があります。引数は期間と開始・終了日で、symbol はありません——もともと市場全体の系列だからです。ポジションとウォッチリストに公開エンドポイントは現時点でなく、Studio のページのみです。
Blave Agent では fetch_top_trader_exposure(interval, start, end, headers) で取得します。返ってくる alpha が上で説明した比率です。
# symbol 引数なし:これは市場全体の 1 本の系列
tt = fetch_top_trader_exposure("1h", START, END, hdrs)
print(tt["alpha"].describe())
以下の 3 つは公式戦略にもバックテストにも裏付けられていません。結論ではなく出発点なので、使うなら自分で検証してください。
系列が構造的にプラスなので、0 を境目にすると事実上ほぼ常にロングになります。自分自身の直近の分布と比べる形に変えます。
tt = fetch_top_trader_exposure("1h", START, END, hdrs)
# 直近 90 日の分位点を水準にする。絶対値の 0 より意味がある
lo = tt["alpha"].rolling("90D").quantile(0.1)
hi = tt["alpha"].rolling("90D").quantile(0.9)
crowded = tt["alpha"] > hi # この集団は普段より積み上がっている
flush = tt["alpha"] < lo # たいていこの集団はロングを削っている
価格が高値を更新する一方でエクスポージャーが下がっているなら、この集団は上昇に売り向かっているということです。これはルールではなく観察です——対象外の建玉種別に移しただけ、という可能性もあります。
px = fetch_kline(SYMBOL, "1h", START, END, hdrs)["close"]
d = px.to_frame("px").join(tt["alpha"]).dropna()
# 20 本の間に:価格は上昇、エクスポージャーは低下
div = (d["px"] > d["px"].shift(20)) & (d["alpha"] < d["alpha"].shift(20))
この指標は更新が遅く、母数も小さいので、位置づけとしては背景情報です。ポジションサイズの調整や、あるシグナルを取るかどうかの判断には使えますが、単独でタイミングを計るには向きません。同じ期間に異常な資金の動きがあったかを確かめるなら、ホエールハンターと併せて見てください。
| 組み合わせ | 理由 |
|---|---|
| トップトレーダー + ホエールハンター | 前者はこの集団の建玉、後者は市場全体の建玉と出来高の異常——人と量という別の切り口 |
| トップトレーダー + マーケットセンチメント | ロングに傾いていて、同時に無期限のプレミアムも高いなら、まったく別のデータ源が同じことを示している |
| トップトレーダー + セクターローテーション | ポジションページはどの銘柄を持っているかを示し、セクターローテーションはその銘柄が属するセクターが動いているかを示す |